事後検証刷新~ネガティブからの脱却そのアプローチと有効性~岡崎市消防本部(愛知)ほのお 救急・救助はじめに岡崎市は愛知県の中央に位置する人口約38万人の中核市です。当消防本部では、約400人の職員が14台の救急車を運用し、年間約2万件の救急出場に対応しています。日々複雑化する救急現場において、活動の質を維持・向上させるためには事後検証が不可欠です。しかし、従来の検証体制は「失敗に焦点を当てすぎる」傾向があり、現場の隊員にネガティブな印象を与えるものになっていました。本稿では、この課題を克服し、「ネガティブからの脱却」を目指して当消防本部が取り組んだ事後検証の刷新アプローチと、その有効性についてご紹介します。検証刷新へ至った経緯と課題1 従来の検証システムがもたらしていた(井上 卓)最大の問題は、検証する側からの「一方向的な指摘」が常態化していたことです。当市で整備している庁内グループウェアのチャットツールを活用し、誰でも参加・閲覧が可能で、検証の道筋が確認でき、後から見返すことができる開放的な対話型の検証を実現しました。第3の柱は「ポジティブ検証」です。検証担当官の心構えとして、「まず、できていた事を見つける」、「指摘する時は背景を理解し、建設的フィードバックに言い換える」、出場隊の意見を傾聴する」ことを明文化しました。さらに、検証担当官を統括する立場の検証管理者がすべての症例と“チャットツール内のやり取り”を閲読することにより、ポジティブな発言と検証の質を担保し、多すぎた減点方式のチェック項目を必要最低限に絞り込みました。② ③ への中継送水について、地元消防団による協力を得て活動できたことは類焼を最小限に留めることができた要因となりました。たが、異動後に火災想定訓練を集中的に実施したことにより、人員が変わったことによるありがちな連携ミスもなく鎮火に至ることができました。するとともに、実災害に即した訓練を継続し、住民の安全・安心のために取り組んでまいります。あった。出動途上に複数の水利部署位置を想定しておく必要性を感じた。本火災は、現場到着前に火災最盛期を迎えており、延焼の可能性が大きかったことから、早期に消防隊の増隊を要請することも必要であった。夜間の出火であったためドローンの使用は不可能であったが、日中に鎮火後の出火建物と類焼建物の状況確認に使用し、昼間の活動において情報収集や延焼範囲の確認に有効であることを再認識した。おわりに現場到着時から、延焼防止や防火水槽定期人事異動直後の火災ではありまし今後も、消防団員との連携体制を強化失敗ばかりがフォーカスされることで、隊員には「検証を避ける意識」が定着していました。その結果として生じたのが「記録の不正確性」です。怒られないような記録をしようとする意識が働き、現場での判断意図が伝わらないまま、記憶に頼った曖昧な記載が行われるという悪循環に陥っていました。この負のループを断ち切り、現場の真実に迫るためには、検証システムそのものを根本から構築し直す必要がありました。2 新たな検証システム「3つの柱」の構築克服すべき問題を解決するため、当消防本部では「3つの柱」からなる新たな検証システムを構築しました。第1の柱は「正確な記録」です。これまで記憶に頼って作成していたプロセスを改め、活動中の録音音声を聞き直し、事実に基づいた正確な記録を作成する体制へと移行しました。第2の柱は「双方向性の確保」です。22今年度発足した日勤救急隊(事後検証を担当する職員も在籍)2026 8号Mission Report 119消 防 最 前 線消 防 最 前 線
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