機関誌「ほのお」8月号
10/33

いづなやまろひめやまょうこうとがくしかつまやま近年の登山ブームなどにより、全国的に山岳遭難件数が増加する中、当消防局管内でも同様に山岳救助出動件数は増加傾向にあり、隊員の装備や救助資器材の配備、専門的な訓練の実施や出動体制の構築など、さまざまな対策が急務となっていました。そのような中、令和5年度に山岳救助検討部会を設置して、山岳救助隊の発足について検討するとともに、山岳救助強化隊員20人を指名し、約2年間の訓練および実災害での試行運用により検証を重ね、令和8年3月19日に山岳救助隊を発足しました。本稿では、山岳救助隊の発足に至った経緯と発足までの経過をご紹介します。当消防局は、長野県の北部に位置し(図1)、国宝「善光寺」の門前町である長野市と、隣接する信濃町・飯綱町・小川村の1市2町1村を管轄しています。管内面積は1117・消防体制は1本部・6消防署・13分署で、486人の職員が勤務しています。令和7年中の出動実績は、火災件数122件、救急件数2万3739件、救助件数236件となっています。当消防局管内の北部および西部は中山間地が占めています。新潟県との県境に広がる「妙み高戸隠連山国立公園」には、新潟県側の「糸魚川・小谷エリア」・「妙高エリア」と、長野県側の「戸隠・飯綱エリア」・「野尻湖・黒姫エリア」があり、長野県側のエリアには、日本百名山で有名な高た妻山や、古くから戸隠信仰の中心である霊峰の戸隠山、飯い縄山、「信濃富士」とも呼ばれる黒く姫山などを中心とした、自然豊かで魅力的な山々が鎮座しています。それらの山域は、市街地からも近く、日帰りで気軽に楽しめる初心者向けの登山コースから、修験道の行場にもなった険しい岩稜や鎖場が連続する上級者向けの登山コースまでさまざまなスタイルで登山を楽しめることから、毎年多くの登山者が訪れています。また、春の山菜採りや秋のキノコ採りなど、登山以外の目的で入山する方も多く見られます。山岳救助出動件数については、増加傾向にあり(図2)、特に令和6年は18件発生し急激な増加が見られます。山域別では、戸隠山域が最も多く、次いで黒姫山域、飯縄山域となっており、遭難の主1当消防局の現況はじめに2管内の山域と山岳救助件数の推移10(長野)図1 位置および局・署所配置図戸隠連峰と鏡池37万7366人(令和8年4月1日現在)、22㎢、管内人口はほのお2026 8号 長野市消防局山岳救助隊の発足について〜志と絆をつなぎ その先へ〜

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る