機関誌「ほのお」5月号
25/32

(甲斐 忍)なっています。また、当消防本部が保有する消防車両10台を格納する車庫は、大空間を必要とする商業施設や工場、また、橋梁を建築する際によく使用されるプレストレスコンクリート梁を採用しています。これにより、車庫には柱が一切なく、緊急出動する際の安全性・迅速性が向上するとともに、雨天時には車両を屋外に出すことで、訓練スペースとしても有効に活用できるなど、機能性をより充実させました。災害出動時の動線災害出動の迅速性を向上させるため、署待機室→通信指令室→出動準備室→車庫と出動の動線を一本化しました。署待機室と通信指令室を隣室にすることで119番通報の早期覚知を図るとともに、通信指令員が通報内容の重要な項目を復唱することで、活動隊員が出動準備室で状況を把握しながら防火衣などを着装することができ、さらなる早期出動につなげました。これにより、災害1件に対して、署員全員が迅速・的確に出動するための情報収集と分析を行うと同時に、出動隊へ情報を伝達し、緊急性が高い場合には受信途中でも出動を可能としました。また、大規模災害時には、署待機室を災害対策室として併用し、指令室で多数受信する災害情報を、より正確にそして迅速に災害対策本部へと伝達することができます。⑵⑶⑷ほのお   分に応じて事務の場を変え、柔軟な業諸室の工夫旧庁舎には十分に整備されていなかった女性消防吏員専用の諸室(個室、トイレ、風呂)を待機スペースの中に整備し、男女の区画はしっかり設けた上で、出動の動線は同じになるようにしました。また、消防本部事務室と署待機室をフリーアドレスデスクとし、内容や気務ができるようにしました。他にも、各諸室をマルチに使用するため、会議室の机やイスなどを折り畳み式の移動しやすいものに変更するとともに、消防本部職員の休憩室や救急訓練室との兼用にするなどの工夫をしました。その他防犯対策として、女性専用室や消防庁舎の職員出入口の施錠をテンキー式にして非常招集に対応できるようにしたほか、防火衣などの除染、撥水性能を維持するため、防火衣専用の洗濯機や乾燥機を整備し、隊員の安全管理の向上を図りました。おわりに新庁舎の完成は、単なる施設の更新にとどまらず、当市および当消防本部の将来を見据えた重要な節目といえます。計画段階から完成に至るまで、長年にわたり、多くの職員やさまざまな関係機関が知恵と力を集結して検討を行い、小規模消防としての地域性・安全性・機能性・実用性を重視した庁舎を整備することができました。新庁舎整備に携わった多くの関係者の皆さまに感謝するとともに、新たな環境の下、職員一人一人が消防の役割の中で自らの職責を再認識し、より質の高い消防・救急・防災活動を目指していきます。25新庁舎署待機室から車庫までの動線女性消防吏員専用の諸室5号 2026

元のページ  ../index.html#25

このブックを見る