機関誌「ほのお」5月号
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当消防本部が導入した消防用ロボットの開発は、消防活動における隊員の安全確保という課題から始まりました。全国では、消防活動中の殉職事故が後を絶たず、特に火災現場での事故が多発しています。火災現場には高温、煙、有毒ガス、建物の崩落など多くの危険があり、消防隊員は常に命の危険と隣り合わせの中で活動しています。この状況は決して他人事ではなく、当市においても同様の事故が発生する可能性があることに危機感を持ち、危険な環境下における活動を支援する消防用ロボットの開発に着手しました。開発に当たり、「なぜ事故が起きてしまうのか」という根本的な課題の整理を行いました。火災現場では、視界不良や高温環境の中で活動せざるを得ず、状況把握が困難なまま進入するケースも少なくありません。また、建物内部の状況が不明なまま隊員が進入することにより、急激な火勢の変化や建物崩落などの危険に直面する可能性があります。こうしたリスクを軽減するため、「人が立ち入る前に状況を確認できる手段」や「危険区域での活動を代替できる装置」の必要性を強く認識しました。令和3年度より、産学官連携による開発体制が構築され、研究機関としての知見を持つ愛知工業大学、ロボット製造技術を有するサンリツオートメイション株式会社、そして消防活動の実務経験を持つ当消防本部が連携し、災害現場の課題を解決するロボット開発プロジェクトがスタートしました(画像3「体系図」参照)。開発の基本方針として、3つのポイントを設定しました。現場目線1 消防用ロボットは、実際の火災現場で使用する資機材であるため、現場隊員の意見を積極的に取り入れました。試作機・走行用カメラ:可視光カメラ(前後各1個)・前方カメラ:可視光カメラ/熱画像カメラ(0~550℃)・上方カメラ:可視光カメラ/熱画像カメラ(0~550℃)水素・一酸化炭素を計測・測域センサ:周囲360度(垂直方向-7度~52度)の空間形状を計測・双方向音声通信(マイク・スピーカー)・前後にLED照明装備・追加装備:化学剤検知器搭載可能、運搬・吊り下げ装備接続用構造特に注目すべきは測域センサです(画迅速化にもつながります(画像2「可視光カメラおよび熱画像カメラ」参照)。走行装置は無限軌道方式を採用しており、瓦礫や段差のある不整地でも走行可能です。火災現場での使用を想定し、消防用ホースを乗り越えることもできるため、倒壊建物や工場施設内など、隊員が進入困難な場所にも進入することが可能となります。さらに、遠隔機能により約200m離れた場所から操作が可能で、隊員の安全を確保しながら現場活動を行うことができます。2開発の経緯●搭載カメラ・センサ・マルチガスセンサ:酸素・可燃性ガス・硫化●その他の機能像1「測域センサ」参照)。機体を中心として周囲をスキャンすることで、外観や図面だけでは把握できなかった建物内部の構造を映像化できます。これにより、隊員は事前に内部構造をイメージしながら活動に当たることが可能です。また、同時に可視光カメラ、熱画像カメラ、マルチガスセンサを活用することで、現場の映像や環境情報をリアルタイムで指揮本部に伝送することができ、指揮判断の11ほのお5号 2026 画像2「可視光カメラおよび熱画像カメラ」画像1「測域センサ」画像3「体系図」全国初導入となる共同開発した「消防用ロボット」について

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