機関誌「ほのお」4月号
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おわりにその一方、消防ポンプを搭載していないため消火活動は行えませんが、その機動性を生かし、主に水難救助事案や海岸沿いでの救助事案等に対応しています。また、「もみじ」が点検整備等で運航できない場合には代替船としても運用しています。3隻目は、総重量数0・2t、全長3・なゴムボートである「みかさ」です。「もみじ」と「ビーグル号」による接岸が困難な浅瀬や、座礁のおそれがある場所での事案に対応しています。当務における船舶隊の人員は、船長1人、船員1人の計2人体制により、「もみじ」、「ビーグル号」、「みかさ」の3隻を乗り換え運用しています。これら3隻の船舶の船長となるためには、「廿日市日野健一郎)市消防艇運航管理規程」に基づき、当消防署長の指名を受ける必要があります。現在、当消防署では10人の職員が船長として指名を受け、そのうち5人が交替で日々の船舶隊業務に従事しています。船長として業務に従事する職員は、当市海域の航路や岩礁状況を把握することはもちろんのこと、「広島県内広域消防相互応援協定書」に基づき、県内海域における航路や岩礁状況の把握に努めています。また、操船技術の向上や、海上火災時における放水技術のさらなる習熟を目的として、放水銃訓練、船舶の適正な維持・管理の徹底、船舶知識の習得等に、日々取り組んでいます。その他にも、船舶火災、大規模災害発生時および他機関からの船舶運航の要請等があった場合にも対応できるよう準備を整えています。令和7年中の船舶隊の出動事案は、夜間における「もみじ」による救急搬送29件、「ビーグル号」による水難救助2件、怪煙偵察1件、その他3件、「みかさ」による救助活動1件となっています。船舶の運用に関しては、各種法令を遵守することはもちろんのこと、操船技術や機関の取り扱い、気象・海象の判断、緊急時の対応等、経験に裏打ちされた暗黙知となりやすいことから、形式知に変換することにより、知識や技術を確実に次世代に伝承し、安全・確実な船舶運用につなげていきたいと考えています。消防という職務は、時代が移り変わっても「人が人を守る」という本質に変わりはありません。しかし、災害の態様や社会環境の変化により、求められる知識や技術は高度化・多様化しています。一方で、定年延長により豊富な経験と熟練の技を持つ職員が現場に在籍し続ける今こそ、その蓄積をいかに次代へ確実に引き継ぐかが重要です。若年層の職員にとっては、実災害の経験機会が限られる中、先輩達の経験談や判断過程に触れることが何よりの学びとなります。そして、教える側にとっても、自らの経験を言語化し伝える過程は、誇りと責任を再認識する契機となり、職務への意欲を高めるものとなるでしょう。知識と技術の伝承は、単なる技能継承ではなく、組織の力を未来へつなぐ営みです。一人一人の経験を共有し合う文化を育むことが、強い消防を築く礎になると信じて、筆を置きます。(原田勝博・松田大輔・依田道憲・消防 NEXT19ほのお4号 2026 42m、定員6人の船外機が取り付け可能弥山における広島県防災航空隊との合同救助訓練

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